― マリアと姫 ―
ある夢の途中からの記憶
― あくまでも、この夢の中だけの話です。
その場所にはマリア像があり、時々人に戻り訪れた人を救うと言う
伝説があるようです。
確か駐車場があったが、停められる車の台数が少なかったと憶えている。
何とかたどり着いてみたら軽自動車が2台停められるかどうかの
駐車場でした。
奥に1台軽自動車が停車していましたが、車の前に柵の様なもの
があったのでこの駐車場とは無関係だなと思って駐車しました。
車から降りあたりを見渡した、来た方向の左手がその場所だと思いました。
振り返り僕が乗ってきた車を見ると、
僕の車はいつの間にか木で出来た十字架の様なものに変わっています。
朽ちた木を紐で十字に縛っただけの様なものに見えました。
ただ十字架と違ってたのは縦と横の木の長さがほとんど同じ長さだったように
憶えています。
来た道を歩いて少し戻ると左手にステージの様なものがあり
2人の女性が向かい合いあい立っています。
左の女性は高齢で、おそらく噂のマリア様だと思われました。
― そしてマリア像ではなく人としてそこにいました。
右の女性は若く艶やかな和風の着物を着ています。
お姫様のように見えました。
彼女の次に順番を待っているのか、眼鏡をかけた男性が
ステージの下で座っています。
多分僕はこの場所に残る伝説の、その瞬間を垣間見ていたのだと思います。
その高齢の〝修道女 マリア様〟と若い着物を着た女性の話が
終わったように見えたので、僕は着物の女性に話しかけました。
彼女はこの場所から無言で離れるように目配せをしたので
僕は理解し、彼女が歩いていく後ろに従いました。
彼女が立ち止まったので、ようやく彼女の顔を正面から見る事が出来ました。
― 何度も言いますが、あくまでも、この夢の中だけの話です。
僕は彼女を知っていました。
彼女は、今の世の中を変えようと活動している有名な若き女性で
政治や宗教からではなく、何か違った場所から活動している人でした。
彼女と色々話しました。
いろいろと話したはずなのですが、全く記憶に残っていません。
夢から覚めた直後なら言葉のひとひらでも憶えていたのですが・・・
でもマリア様が言った言葉は憶えています。
〝最近ここに来る人が増えましたね〟と・・・
実際にある場所なのかどうかはわかりませんが、
その場所がどこらへんなのかは夢の中で知っていました。
何故なら夢だからです。
マリア ・ 十字架 ・ 姫 ・ 夢前町
なにがあるのでしょう・・・