― 夢の断片その三 ―
何故かすぐ近くに船はありました。
もう出航しようとしているところで二人は慌てて船に駆け込みます。
雨のせいか船の甲板は濡れていたのを憶えています。
ここからは
明確な映像は少なく、場面も早送りで飛んでいきます。
目覚めが近かったのかも知れません。
乗船した僕たちは船室に向かったが、その時僕は
彼女が誰かに追われているのを察知していました。
その誰かは、すでにこの船に乗っています。
僕たちは追っ手から 逃れる為に船底へ隠れました。
船底は広く高さもあり、白い壁に沿った長い階段が見えます。
その長い階段を船底から眺めている僕は、すでに彼女を見失っていたように思う。
追っ手が階段の上に姿を見せた、体格のいい中年の男でした。
きれいに手入れされた髭をたくわえた容姿からして三国志にも出てきそうな
武将のイメージです。
彼女がどこにいたのかわからなかったが、その男は彼女に向かってこう言った。
〝アワノヒメ〟
もしくは
〝アワノカミ〟と。
僕は驚いた、彼女は女神だったのか。
その後の夢の記憶はありません。
ただ数か月たった今でも憶えているキーワードがたくさんある。
それに従い僕は行動を起こします。