― 慶野松原 ―
夢をみてから1ヶ月以上過ぎた日曜日にやっと島に行くタイミングを得ました。
その場所は淡路島の南西、調べてみると南あわじ市の西の海上です。
地図の上では・・もちろんそこに島はありません。
夢のように船で行くわけでなく、車で明石海峡大橋を渡ります。
彼女が言った通り、高速道路に乗ってから10分程度で島へ到着しました。
船だと10分では無理でしょう。
グーグルマップで向かう場所の詳細を調べてみると
実際にない島を見ようとするなら〝慶野松原〟あたりが絶好のポイントに思えました。
途中道を間違えたりしたので〝慶野松原〟に到着するのに1時間くらいかかりましたが
スムーズに車を走らせる事ができたなら50分で行けたと思います。
駐車場があったのでそこに車を停車し、異形の松達を眺めながら
とり急ぎ砂浜に出てみました。
五色浜に近いからなのか、いろんな色の小石が転がっています。
そんな砂浜から夢で見た島を探します。
遠くに島影は見える。 あれは小豆島なのか、夢で見た島にしては遠すぎる
わかってはいたが島は見えません。
見えない島と海を見ながら彼女(女神)を感じようとした。
ただの夢だと知りつつ、何か意味があるのではと思いここまで来てはみましたが
彼女(女神)を感じる事が出来ずにいました。
数分の間、砂浜から青い空と海を眺めていましたが
何も変わらない状景にあきてきた僕は
他にする事もなく砂浜に転がっていた色の違う出来るだけきれいな
小石を5個探しポケットに入れた。
もう帰ろうと踵を返し砂浜から松林に向かうと
左手のほうで年配の男性がゴルフの練習をしているのが目に入りました。
10球くらいのボールを小さなスイングで20ヤード程打っては
元の場所に戻し、繰り返し練習をしています。
その男性が練習している砂浜の後方に、小さな鳥居があるのに気付きました。
― 少し胸が高鳴ります。
もしかして 女神に会えるのかも ―